第14代宮前区長  野本紀子区長を訪ねて

野本宮前区長 『宮前の風』が創刊号から満5年、今号が記念すべき20号。そこで、第14代宮前区長に就任した野本紀子区長を訪問取材して『宮前の魅力』など語っていただいた。
 始めは緊張感に包まれて自己紹介した3記者も、区長の細やかな気配りや多様な話題に時間の過ぎる事も忘れる程でした。

記者:本日は『宮前の風』取材にご協力いただきありがとうございます。
野本区長:お疲れ様です。発行のたび、どんな記事かとワクワクしながら楽しく読ませていただいております。ずっと「宮前の風」で特集されていた影向寺が、今春、国史跡に指定されるというビッグニュースも飛び込んできましたね。
記者:ありがとうございます。たくさんの皆さまに読んでいただけるようこれからも頑張ります。よろしくお願いします。

 『魅力』それは…
記者:区長の感じる宮前の魅力を教えてください。
野本区長:宮前区に勤務するようになり、以前にも増して魅力的な土地だと強く感じるようになりました。都会でありながら緑もたくさんあり、人とのつながりや温かさを感じます。周りの人、地域の皆さんに支えられて子どもたちも明るく、素直に育っています。物質的とは別の、本当の意味での贅沢、心の豊かさを知っている人が多いと思います。
 新鮮な野菜、果物などの『かわさきそだち』の名産品がたくさん地元にあり、美味しいものが食べられることも最高です。春の『農家巡りウォーキング』に参加して、その魅力を肌で感じました。その後、区内の学校の先生と以前の勤務先でお世話になった札幌市の東京事務所の方をお連れして、『ブルーベリー狩り』を体験。作物の話を伺いながら、摘みとって食べるブルーベリーは、まさに絶品。その味はこの上なく美味しく、全員大喜びでした。

『違いが豊かさとして響き合う』
記者:職員として、区民また市民との関わり方は如何でしょうか?
野本区長:私の好きな『違いが豊かさとして響き合う』という言葉は、初代の土橋小学校校長の山田雅太先生に教えていただきました。
 地域のなかに多様な存在があって、お互い良い影響を与えあって豊かな社会が出来る。そんな素晴らしい関係が理想です。
 行政と地域の皆さんとの関わりも、ハーモニーを大切にして行政としての役割や支援を行いたい。皆さんが考えている事が上手く融和して、地域でそれぞれが豊かな気持ちで暮らせるようにと願っています。
 
野本宮前区長 『宮前は魅力の宝庫』
記者:観光についてどんなお考えでしょうか?
野本区長:今住んでいる方々や区外の皆さんにも、知ってもらえるたくさんの魅力があると思います。過去にご縁があってこの地に住んだ人にも知って欲しい。そんな意味を含んだ広い情報発信が大事だと思います。
 区内には古刹や神社、庚申塔、道標、遺跡や古墳など歴史を語るものが数多くあり、本当に凄いと思います。タイムマシーンに乗っているようなこの町、昔の人たちが残したものが身近にあることを子どもたちに気づかせてあげたい思いがあります。
 私の『愛用品』のひとつにこの『宮前歴史ガイド』があります。掲載している内容を子どもたちに話して「この町は過去からずっとお父さんやお母さん、それ以前の人たちが大事にして、苦労したり、喜んだり、いろいろ最善を尽くして築いてきたこと」などを知ってもらえたら嬉しい。
 また、市政だより区版には『宮前地名さんぽ』を連載しています。地名は昔の人が今の人たちに寄せた手紙だと思います。ひとつひとつ読み解くことでどのように町が出来たかを知る大事なものです。それに、いただいたばかりのこの本『蔵敷生活学校40年のあゆみ』も『大切な本』のひとつです。地域の主婦の皆さんが1973年から2012年までの菅生分館での活動の歴史などをまとめている。高度成長期、郊外に多くの人が住み始めた昭和40年代に、以前から住んでいらした農家の皆さんと新しく移り住んだ人たちとの強い絆が生まれたことや、いかに皆で助け合いながらこの土地になじんできたかがわかります。このグループは今も菅生分館で生涯学習活動を続けていらっしゃいます。
 また、鷲ヶ峰けやき公園(菅生ヶ丘)には多目的広場を整備して、3月末にオープンイベントを開催する予定です。この付近には石器時代の川崎最古の『鷲ヶ峰遺跡』があり、貴重な遺跡を多くの皆さんに知っていただけるよう公園に解説板を建てる考えがあります。是非皆さんに来ていただきたいと思います。

野本宮前区長 『希望』
記者:挑戦してみたい事ありますか?
野本区長:仕事では、区役所の中で職員に呼びかけている『相乗りで相乗効果を生もう』。それぞれの課で持っている仕事、中には一緒にやる事で効果が上がるものがあると思っています。つながりをもって広げて行く。区民と行政も同じようにつながりをもって一緒に歩んで良い方向に行けたら、と希望を抱いています。
 趣味では私は皆さんに『古いものオタク』と自己紹介するくらい、古いモノが好きなのです。区内は、歴史的な場所やモノがたくさんあって私は宝の山に迷い込んだような気持ちです。あるイベントに参加した時、見かけた奥様の素敵な帽子。それは古い着物をリサイクルした手縫いの帽子でした。時を経たモノを生かしていらっしゃることに尊敬の念を持ちました。いつか作り方を教えていただけたら。

 『PRお願いします』
記者:
私もいいね!しています 。
野本区長:区内の子どもたちの為に『こども支援室』では、10月20日からフェイスブック、ツイッターを開設しました。約3週間で16,000人が閲覧、450人超からいいね!をいただいています。反響が大きくとても喜んでいます。新しい情報発信をしている事もPRしていただけたら嬉しいです。
 たくさんの魅力に溢れた宮前のお話、そして『大好きな宮前』への想いを記者は存分に教えていただいた取材となりました。
退出時には嬉しい激励のお言葉もいただきこれからの励みにしたいと思います。

野本宮前区長と観光協会記者

青柳記者・高橋記者・野本区長・渡辺記者


宮前の風20号・2015.1 文・青柳和美 取材・青柳和美・渡辺寛美・高橋弘幸)

【注意】掲載記事は、取材時のもので内容がかわっている場合があります。