花卉生産への熱い情熱好きだからこそ!! 「吉忠」4代目 吉田 恵一さん(44歳)

  馬絹地域には、長い歴史を持つ花卉生産農家があります。花もの、葉もの、実ものを生産しています。特にハナモモは、『かながわ名産100選』・かわさき農産物ブランド『かわさきそだち』に認定されている。親の代を引き継ぎ、伝統のハナモモなど「枝折り(しおり)」物を栽培している4代目吉田 恵一さん。明るく温かみに溢れ、笑顔が素敵な4代目です。創意工夫、学習の時間を惜しまず強い向上心を秘めて、都市型農業の大きな夢を抱いています。

結束機を使った作業

結束機を使った作業

 ひな祭りを控えた時期に、ハナモモの生産・出荷作業に追われる恵一さんを取材訪問しました。
 この輝かしい経歴 凄いな!!
 昨年の第62回関東東海花の展覧会で農林水産大臣賞や平成18年全国花き品評会で農林水産大臣賞を受賞した輝かしい経歴を持つ生産技術者です。作業場で結束機を使って枝折り作業をしていた恵一さん。枝は形を整えられて素早く束ねて並べていく。その速さ、より美しく見せるその技に驚きました。
 父親の義一さんは、馬絹伝統の「枝折り(しおり)」でも知られています。国内でも数少ない農林水産省認定『農業技術の匠』や『かわさきマイスター』の称号を持つ偉大な技術者です。時にはイベント会場で、生産した花の無料配布などし、ご存じの人もたくさんいることでしょう。
室(ムロ)に入れる準備の最中

室(ムロ)に入れる準備の最中

 義一さんの後継者、恵一さんに質問しました。
 質問 何歳から始めましたか?
『恵一さん』今から24年前、20歳を迎えた頃に始めました。
 質問 始めた動機、魅力を教えてください
『恵一さん』代々続いている家業でしたから、「よーし、やるか!!」と、決意しました。その時はバブル景気で、相場も良い時代でした。自分が納得して作り、きれいな花を咲かせて市場(主に東京大田市場や川崎北部市場)に出荷して高い評価を得ました。そしてたくさんの人びとに喜んでいただいています。そんな時は嬉しく最高です。いろいろな、やり甲斐を感じます。
枝の丈、形が整えられ束が次々と

枝の丈、形が整えられ束が次々と

 質問 将来の夢、構想はなんですか?
『恵一さん』仕事を順調に進めて規模を大きくしたい。ただ、地域は段々と農地が少なくなっていますけどね。市場に出荷した商品が良い評価を得る品物を作りたい。出来栄えに納得し、安定した大量生産が出来るより高い効率化を図りたい。それには毎日が勉強、努力の積み重ねをすることです。
 他にも地域の小学生を招いて社会学習、お花の楽しみ方、お父さんへの思いや『枝折会』に在籍しての勉強会、研修、情報交換などで仲間との交流をはかっていることも伺いました。

 伝統ある花卉生産の誇れる技術者として、大きな志を心に秘めた、明日へ歩む力強いその姿を感じました。

宮前の風17号・2014.4 文・青柳和美)

【注意】掲載記事は、取材時のもので内容がかわっている場合があります。