チョーク工場訪問記(宮前区観光ガイドの会)

 ウォーキングツアーで二子新地駅近くの日本理化学工業のチョーク工場を見学しました。
 最初に大山会長から会社概要の説明があり、昭和12年創立で従業員81人の中小企業ながら国内シェア32%のトップメーカーとのこと。
 しかし最大の特徴は従業員の75%が知的障害者で半分以上がIQ50以下の重度障害者であることです。
 知的障害者を最初に採用したのは昭和35年施設の先生の「就職できないと施設で一生すごすことになる」という熱心な説得を受け同情し2名を雇用、現場の従業員が交通信号をヒントに工夫した材料の計測工程を担当させた所一所懸命仕事をやり、結果を出すことが出来たので、障害者のレベルに合わせ工夫した製造工程を設置し成果を時々褒めることでモチベーションを上げて生産性を維持し、その結果会社の経営も維持出来ているそうです。
 製造現場を見学しましたが、障害者とは気が付かない程皆が明るく熱心に仕事をしており、1日平均11万本のJIS規格チョークを製造しているそうです。
 白板とサインペンの普及により需要は減っていますが、ガラスに書けるチョークを開発し新たな展開を図っています。
 最近の相模原の事件で障害者の問題がクローズアップされていますが、この会社の「人間尊重の皆働社会を目指して」というスローガンのもと障害者に人間としての働く場所を提供する考え方は貴重であり、社会全体で共有しなければと思いつつ会社をあとにしました。
 文・宮前区観光ガイドの会 大賀紘一

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